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長薬同窓会・支部組織 >> 近畿支部 >> お知らせ >> 支部だより2(会報60号)

 大阪・関西に於けるコロナ現場対応 


 渡辺近畿支部幹事(s57卒)(会報60号5ページより)

 昭和57年卒の渡辺と申します。同窓会報には初めての寄稿となりますが,このような機会を与えていただきました近畿支部の末澤支部長及び伊藤幹事長には心より感謝申し上げます。

 昨年は末澤支部長の支部だよりにもありますように,近畿支部創立百年に合わせて長薬同窓会定期総会が大阪で開催されました。大学卒業以来京都に本社を置く製薬会社に勤務して35年ほどが経ち,ちょうど会社を退職する節目の年でもあったことより定期総会に参加させていただきました(たぶん総会への参加は初めてだったと思います)。ところが,同期である昭和57年卒のメンバーの参加があまりに少なく,「これではいかん,もっと声をかけよう」との思いで,近畿支部幹事である阿波ちゃんこと森藤さんや伊藤幹事長に相談したところ,快く幹事の仲間入りを認めていただきました。しかし,昨年11月に打合せを行った後は,支部長の文章にもありますように支部活動ができないような状況が続いています。

 さて上述しましたように,私は昨年一旦会社を退職したものの,その後は兵庫県尼崎市にあります消毒薬や局方医薬品を専門に製造している上記会社のグループ会社に勤務しています。今回の新型コロナウィルス騒動の影響は,消毒薬を主力製品としている当社にとっては非常に大きなものでした。
 国内で感染が確認され始めた頃より消毒薬の需要は徐々に増大し,4月に緊急事態宣言が出されてからは,医療用医薬品である消毒用エタノールだけではなく,一般用医薬品の消毒薬も出荷を制限せざるを得ない状況となりました。一方で,この頃より消毒薬の原料となるエタノール(原料アルコール)の調達が急速に困難となり,製品は作りたいが原料が足りないという状況に陥りました。更に時を前後して,消毒薬の自治体への供給を優先する厚生労働省や経済産業省からの「手指消毒薬の安定供給スキーム」の通達(3月),大阪府の吉村知事によるポビドンヨード入りうがい薬の記者会見(8月)など,国や自治体トップの言動が社内の混乱に追い打ちをかけることになりました。一方で生産現場では,従業員をいかに感染から防ぐのかという大きな課題に直面することになりました。生産現場の業務はテレワークができず,多くの従業員は毎日公共交通機関を使って通勤しています。マスクの着用や頻繁な手指の消毒,毎朝の検温などは早くから指示しましたが,結局採った対応としては早朝からの時差勤務,工場部門以外の社員との社内動線の分離,パーティションの設置など,当たり前ですができることを粛々とやるとの決意で生産を続けてきました。
 それが功を奏したか(?),現在までに一人の感染者も出さず,また原料アルコールの供給も徐々に緩和され,主要製品の出荷制限はまだ続いていますが,何とか新常態の中での落ち着きを取り戻しつつあるところです。これから冬を迎え,新型コロナウィルス感染の第二波,第三波に加えインフルエンザも危惧されているところですが,同窓会の皆さま,またご家族の皆さま,咳エチケットや三密回避など感染には十分に留意され,健やかな年末年始を迎えられますことを心よりお祈り申し上げ,近畿支部新任幹事挨拶とさせていただきます。

渡辺 修二 (昭57卒)